返報性のよくある誤解
前回、返報性の原理について話した。
しかしこの原理もまた誤解されやすいので、さらに掘り下げたい。
人に好意を示せば相手にも好かれる。
返報性の原理によれば、この等式が成り立つはずだ。
もし好意がそのまま返ってくるなら、世の中両想いだらけだ。
しかし現実はそうならない。
それはなぜなのだろうか?
返報性の原理とは、こちらの感情をそのまま返す現象ではない。
「相手に与えた印象」が返ってくる原理なのだ。
それはまるで鏡のように。
偏見も何もない、ただ事実のみを淡々と返してくる。
返報性の原理は、他人を通してあなた自身を映し出すシステムだ。
あなたの行いが相手にとって好ましくなければ嫌われる。
あなたの行いが相手にとって好ましければ好かれる。
ただそれだけのシンプルなルールだ。
他人を通して、自分が評価されるシステム。
悪い行いをすれば悪い結果を、良い行いをすればよい結果を。
世の中はダイレクトに返してくる。
世の中を観察するほどに実感することになる。
因果応報、結果には原因が必ずある。行動には必ず報いがある。